会長挨拶
富山商工会議所青年部(以下、富山YEG)は昨年度に創立50周年を迎え、多くの皆様からご指導と多大なるご協力を賜り、無事に記念事業を終えることが出来ました。この場をお借りして改めて厚く御礼を申し上げます。そして、創立50年という節目を経験した伝統あるこの富山YEGの第51代会長を拝命するにあたり、その重責に身が引き締まる思いです。
富山YEGは平成23年度に全国大会越中富山大会を開催しました。当時は大雪にも関わらず全国から多くの仲間が富山の地に駆けつける姿を見て、YEGという団体の連帯感、そのスケールの大きさに感嘆しました。私たちはその5年後の平成28年度には北陸信越ブロック大会を開催し、大きなコンベンションを立て続けに経験することで飛躍の糧としてきました。これまでの各事業の成功や組織としての成長・発展は、今までに先輩方が築きあげて来られた歴史が、今の私たちに引き継がれ蓄積されているからに他なりません。私たちはこの歴史を紡ぎ、更に10年、そしてその先の未来を見据えて永続的に活動するために、新たな一歩を踏み出します。
近年の私たちを取り巻く環境に目を向けると、異常気象や自然災害の頻発、世界規模での感染症の蔓延や軍事侵攻による食料やエネルギー価格の高騰、労働力不足による雇用問題など、富山で経済活動を展開する私たちにも顕著にその影響が表れています。世界では10年前には予測できなかった事象が次々と起こり、世の中がめまぐるしいスピードで変化し続けています。私たちにはVUCA(Volatility=不安定性、Uncertainty=不確実性、Complexity=複雑性、Ambiguity=曖昧性)と言われる予測困難なこの激動の時代を生き抜き、各会員企業や富山YEG、そして日々生活を送るふるさと富山の発展に寄与するという青年経済人としての責任があります。
昨年に創立50周年を迎えるにあたり、会員の皆様にアンケートを実施し、それにより現時点での富山YEGの課題が明確となり、会員にとっての理想的な未来像を描く事が出来ました。組織の将来を見据えて策定された「富山YEGビジョン2025~2029」では、会員が主体性を持って3つのシンカ(深化・進化・真価)への挑戦を続け、地域の未来を創る先導者となることを掲げています。今年度はシンカへの黎明期となる重要な年となります。富山YEGが自他共に誇れる存在となるべく、また会員一人ひとりや組織としての富山YEGのシンカを目指して、以下の3つのテーマを意識して活動を進めてまいります。
自社業の業績が低迷していたり大きなトラブルに直面していると、何をしていても心の底から楽しむことは出来ず、どんなに美味しいお酒や料理も味気なく、ましてやYEG活動に注力する時間も余裕もありません。多くの会員がYEGに入会した目的として「自己研鑽・自社業の発展」を挙げています。私たちのYEG活動の根幹には、自社業の基盤の安定や成長が不可欠であり、自社業の発展に繋がると信じているからこそYEG活動を頑張れるのです。企業経営に関する知識やスキルの習得など会員個人の資質の深化、事業継続力強化の学びや会員企業間のビジネス成果にこだわった活動や仕組み作りを模索し、富山YEGのスケールメリットを活かした企業間の絆の深化を促進する活動を展開します。
変化が激しい時代の中では、50年の歴史で積み上げてきた富山YEGの伝統を守りつつも、変化を恐れずに柔軟に対応しなければ会の存続も発展も望めません。富山YEGらしさを失うことなく伝統として残すべきものは残し、今の時代にそぐわないものはしっかりと議論を重ねた上で変える必要があります。
DX推進に関しても課題があります。「2025年の崖」というキーワードを経済産業省が発表しており、DX推進が実現出来なければ2025年以降に大規模な経済損失が起こる可能性があると言われています。その重要性を耳にするようになって久しいですが、富山YEGとしては会の運営に上手く活用出来ていないのが現状としてあります。同様の悩みを持つ会員企業も多いのではないでしょうか。
その場に留まるのではなく、変化を恐れず進化を求めてチャレンジすることが肝要です。時代の変化をチャンスと捉え、各会員企業の強化と富山YEGの組織としての更なる進化に取り組んでまいります。
近年の富山YEGが抱える課題の一つに会員の参加率低下があります。各々が所属する委員会・局・室の活動や担当する事業には参加する一方で、その他の活動となると足が遠のく会員も少なくありません。今一度、入会当初抱いた思いを胸に積極的に活動に参加してみませんか。素晴らしい仲間があなたを迎えてくれます。私はこの富山YEGで多くの友を得ました。家族や仕事、プライベートの悩みなどを真剣に受け止めアドバイスをくれ、お互いに刺激を与え、共に高め合える友です。これは私がYEG活動の中で得たかけがえのない財産・誇りであり、YEG活動における真価の一つであると確信しています。様々な縁が重なり同時期に活動を共にする会員の中から、生涯の付き合いが出来る友を見つけましょう。
令和7年度は今まで富山YEGに関わって頂いた全ての皆様に、改めて感謝の意を持ち活動を進めていきます。特に身近な存在の家族や、事業所の理解と協力なしには私たちのYEG活動は成り立ちません。関係各位の方々にしっかりと感謝を伝える1年にしましょう。
最後になりますが重ねて私が強調したいのは、この困難な経済状況の中を生き抜くためには、個人の資質の向上が必須です。会員一人ひとりの成長は自社業の発展に繋がります。強靭な企業を作り、持続可能な経済活動を通じて商品やサービスを提供し、雇用の創出、次代を担う人材の育成などの社会的責任を果たし続ける活動が、青年経済人としての務めです。そしてその継続した活動は必ずや富山YEGの強力な下地となるでしょう。
新時代を迎えた私たちは、富山YEGでの活動や経験を通じて地域の未来の先導者として大きく成長しなければいけません。いつか誰かがやってくれるのを待つのではなく、今こそ主体性を持ち、心に熱い火を灯し活動しましょう。3つのシンカに掛け合わせる最後のピースは心火です。会員一人ひとりが新時代の旗手となる気概と情熱を持ち、互いに切磋琢磨し、そして何よりも富山YEGを楽しみ、共に邁進していきましょう。